シャニダールの花(2013) 映画感想

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監督:石井岳龍
出演:黒木華/綾野剛
ジャンル:恋愛ファンタジー


シャニダールの花」を観た。
黒木華綾野剛のコンビは「リップヴァンウィンクルの花嫁」と同じ。
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レビューをみたら、そちらと勘違いして視聴したという声がちらほらあって何だかふふっとなった。映画の内容自体は全然違うのに、ふたりが画面に映るだけで同じ映画を観ているような気分になっていたのは確かだ。それもきっと、ふたりの放つ雰囲気が似ているからかもしれない。私は黒木華さんが好きなのですが、あんなに透けてしまいそうな透明感のある女性はいないと思っている。強いのに儚い。演技をしているのか素なのかわからないほど彼女はいつだって自然体。「女優」。その言葉がよく似合う。綾野剛も同じ。彼を形容する言葉は、かっこいい、クール、セクシー、ミステリアス、どれも似合う。でも一言で片づけてしまうほど単純な男ではないのだろうと思う。私はきっと彼の本当の魅力を半分もわかっていないだろうから、彼の魅力に気付いた映画監督が彼をひっぱりだこにしている。
そんなふたりが主演をつとめているから、内容がめちゃくちゃでも何をしていても場面が持つといっても過言ではない。ふたりがいるから成り立つ。このふたり、とっても素敵。


これだけふたりのことを言っておいてなんだけど、「シャニダールの花」はまれにみる面白くない映画だった。ただ注意したいのは、面白くないというのは嫌いと直結ではない。こういう静かな雰囲気の邦画を観てスカッとすることもある。スカッとジャパンより断然スカッとする。

「雰囲気映画」と言ってしまうのは暴力だ。「雰囲気だけの映画」、と評される映画を私自身好む傾向があるから、その一言で済まされてしまうのはなんだかもったいない、と個人的にすごく思っている。細部に神が宿るというように、映画もどこかしこに監督の思惑がちりばめられていて、気付くのも気付かないのも視聴者の自由だ。解釈だって、別にどうとらえたってかまわないはず。


日本映画というよりも、フランス映画を観ているような感覚になった。フランス映画をフランス映画らしくしている要素って何なんだろう。よく邦画と似ているという人がいるけれど、私もどこか似ているところがあると思う。そんな洒落た人間でもないけれど。


とにかくこの映画は理解しにくかった。理解しよう、理解しよう、と映画は観るもんじゃないけど、頭をからっぽにして観ていたら置いていかれてしまって、気付いたら終点を過ぎて回送電車に一人取り残されていた、みたいな。果たして全貌を理解できた人はどれほどいるのだろう……?

人から花が咲く奇病、しょせん人間も花も地球の一部分にすぎないという話で済む、みたいなことでいいんでしょうか。フィクションの中だけでも、人がかつて花だったというのもロマンチックですね。花はいつか必ず散る。美しいときはあっという間に過ぎ去ってしまう。そういう運命をたどるのは、なんだか人間と似ているかもしれない。


よくわからないと言って逃げてしまいたくなる映画だった。
本当に感想がそれくらい。
好きだという人もたくさんいるんだろうなと思う。
そういう映画。