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ブラック・ミラー (2011) シーズン1 ドラマ感想

ドラマ

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Netflixドラマ『ブラック・ミラー』が面白いという話を聞いたので、シーズン1をさくっとみてみた。全話監督も脚本家も異なるので、それぞれ全く違ったお話となっています。テクノロジーの発達した近未来をテーマにしており、将来本当に起こりそうな後味悪いものばかりでした。しかし何とも癖になるタイプのドラマだったことは間違いないです。

 

第1話 国家

 

 監督:Otto Bathurst

 脚本:Charlie Brooker

 出演:Rony Kinnear/Lindsay Duncan/Donald Sumpter 

 

なんだかコトの運びようがシン・ゴジラを彷彿とさせた。全然違うんだけど。

 

最初の犯人の声明文だけを聞くと、サスペンスのように一体誰が犯人でどのような目的なのか、と展開していくと思ったのだが、犯人や動機はあまりにもあっさりと流れてしまった。なぜならこのドラマで説いているのは、「事件」そのものではなく、事件の渦中を取り巻く人たちや、さらに踏み込んで言うと世論や私たち一般人のことだからである。たった45分の物語にも関わらず、現代人の当事者意識の欠落した様子が詰め込んでありました。

 

犯人の要求は行き過ぎだが、国民の反応は実にリアルで、事件を心配している様子から、どこか心の中で事件を楽しんでいるかのようになっていったのがなんとも不気味でした。だから、犯人の動機なんてどうでもよくって、一般人がテレビにかじりついているのがこの物語では問題なのだと思う。誘拐された王族の女性が解放されたのに、かなりの国民がテレビに夢中で気付かなかったというのも本末転倒というか。テレビを見ている人たちは、首相や王族の女性を心配している人と、首相の屈辱を心の中で楽しんでいる人と、どっちが多いのだろう。本当に心配している人は、耳鳴りがなった時点でテレビを消すだろうに、そのまま視聴し続ける人たちばかりでした。しかもこの一連の流れを「芸術」と言う評論家までいる始末なので、あくまでも彼らにとって他人事なのである。

 

ニュース番組に「『ダウントン・アビー』に出ていた女優」が出ていたけれど、誰のことだろう。多分そういう会話があっただけで実際には出てないんじゃないかと思ったのだけど、代わりにトム・ブランソン役のアレン・リーチが出ていた。2話ではシビル役のジェシカ・ブラウン・フィンドレイが出ていて、イギリスのドラマでは二人は売れっ子なのだろうか。

 

第2話 1500万メリット

 

 監督:Euros Lyn  

 脚本:Charlie Brroker & Kanak Huq   

 出演:Daniel Kaluuya/Jessica Brown Findlay

 

これも後味が悪い。でも嫌いじゃない。

主人公は管理社会の中、毎日電力供給のためにバイクをこいで暮らしている。バイクを稼ぐ通貨がメリットと呼ばれるもので、多額のメリットを払えばその暮らしから抜け出せる可能性が出てくる、というディストピア世界のお話。

 

そこで主人公が出会った可愛い女性、アビ。ふと思ったけど"アビ"の由来が『ダウントン・アビー』だとしたら悪趣味だ。1話から連続していたら確実にそうだといえるのだけど、監督も違うので微妙な話。でも脚本が同じ人なので、ほぼ黒!

 

これもまた、集団の持つ悪意みたいなのが反映されていた。1話ではインターネットやテレビを通じた意見だったのが、2話ではアバターという一つの媒体を通しているから同じようにどこか他人事のような感覚が生まれやすいのだろう。そういう意味ではあの世界のアバターも匿名のネットと似ているかもしれない。観客がアバターで埋め尽くされていたところ、何だか怖いなぁと思ったのだけど、もうすでに日本でもSonyのShowroomというアプリでああいう世界観が現実に浸食してきているのでテクノロジーの進歩に負の感情が生まれた。

 

主人公はオーディションで命を張った訴えをしたのが裏目に出て、結局いいランクの暮らしを手に入れたわけだけど、管理される側から解放されたわけではなく、ただ少しだけいい暮らしのできる管理された社会に生きているだけなのではないかと思う。彼の部屋から眺める景色は果たして本物か、偽物かという話だけど、あの部屋のスクリーンの画質がよくなっているだけだと思う。ってことで、偽物だと思う。

 

そしてあのオーディションで審査していた人たちも、果たして本物を手に入れているのかは疑わしい。彼らに言わせればバイクをこぐ人生もヒエラルキーの底辺と言わんばかりだったけれど、バイクをこぐ側からみれば彼らの下にはさらに清掃員がいて、一見そんなに差がないように見えるが彼らの中でも一応ヒエラルキーの上下の意識はあるのだろうと思った。 だからたとえいい暮らしをしても、階級意識から逃れられることはないんじゃないかなぁ、あのディストピア世界では。

 

 第3話 人生の軌跡のすべて

 

 監督:Brian Welsh 

 脚本:Jesse Armstrong 

 出演:Toby Kebbell/Jodie Whittaker/Tom Cullen  

 

ブラック・ミラーとは"テクノロジーのおかげでおかしくなってしまった大多数の現代人"を表しているのかと思ったのだけど、3話を見ると大多数に括っているわけではなさそう。でもテクノロジーのせいで主人公の人生がおかしくなってしまったのは確かだ。

 

3話では、記憶チップを持つことで、記憶をいつでも見返せることがメリットにもデメリットにもなる時代。主人公も結局記憶に囚われて今現在の生活をぼろぼろにしてしまった一人でもあり、過去にすがるorチップを捨てるという選択を迫られることとなる。テクノロジーが発達しすぎてテクノロジーを捨てるという皮肉でもありました。

 

あの世界だったら裁判でも記憶が証拠となって判決もスムーズにいきそう。だから弁護士があまり必要とされない世界なんじゃないかな、と思いました。

 

「誘導尋問は記憶を書きかえられる」という会話があったが、18ヵ月前の不倫のくだりはどうみても誘導尋問なので、奥さんの記憶は書き換えられたもので、二人の子供はもしかしたら本当に不倫相手との子供かもしれないんじゃないか・・・。