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東のエデン (2009) アニメ感想

アニメ

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 監督:福山健治

 キャラクターデザイン:羽海野チカ

 

ノブレス・オブリージュ 今宵も救世主たらんことを」

何度も繰り返される「ノブレス・オブリージュ」の言葉。「持つ者の責務」という意味らしいが、金(権力)を持つ者がどう日本を変えられるかという社会派のアニメ。

 

月曜日、日本各地に10発のミサイルが落下した。『迂闊な月曜日』と呼ばれたこの事件は、奇跡的に1人の犠牲者も出なかった。

その頃、旅行でホワイトハウスを訪れていた森美 咲は、滝沢 朗と名乗る男性にトラブルを救われる。滝沢は記憶を失っており、82億円の電子マネーが入った携帯電話(ノブレス携帯)を手にしていた。

間もなく滝沢は自分がセレソンゲームに参加させられている12人のうちの1人(セレソン)だと知る。100億円を好きなように使って日本を救うことを課せられ、最初にゴールした1人以外は「サポーター」により死がもたらされるという。(Wikipediaあらすじ) 

映画小ネタ

上記にあげたように、実在の映画がいくつか出てくる。言葉として発せられるものもあれば、微妙にタイトルを変えているものや再現シーンをあげているものがある。主人公は記憶がないのに映画のことは覚えており、アニメの登場人物に過ぎないのに現実のものを挙げるあたり、妙なリアルティがある。だがこのアニメを観て思ったのは、映画のようなド派手なエンドを飾るので最後の余韻があり、主人公の滝沢はまるで映画の主人公のような英雄と呼ばれるにふさわしい行動を起こしている。何よりタイトルが、「エデンの東」から取られているのではないか。実際には関係ないだろうけど。

あと豪華だったのが、OP主題歌。なぜOasisなんだろう。凄いなぁ。

 

傍観者

最後の方にちょろっと出てくるセイソンNo.2を持っている金持ちの男、辻。彼が最後に「ミサイルなんか落ちなくたって、この国は死に向かっている」とミサイル落下を背景にしてつぶやいているのですが、彼の傍観者たるこのセリフになんだかドキッとなってしまった。それはきっと、1番悪いのは何もしていないこいつなんじゃないかと思わせるセリフでもあると同時に、視聴者の代弁のような形をとっているからだと思う。ヒロインの森見咲が1話か2話あたりでミサイル落下を受けて「もっと凄いことが起こるんじゃないかとわくわくしている自分がいる」みたいなことを言っているのだが、不謹慎ながらきっと自分も同じことを思うだろうと思う。そして最後に辻がこのセリフを言い、自分と同じような考えを持つものがこのアニメにおいては悪者のように描かれていて、現実に引き戻されたような感覚を味わった。これが2009年に作られたアニメだとしても、今の日本はじわじわ死に向かっているんじゃないかと感じることがある。ただぼんやりとアニメを見ているはずなのに、ふと現実に返ってドキッとしてしまう瞬間でもありました。

 

羽海野チカ原案のキャラクターデザイン 

女キャラクターは可愛らしいが、男キャラクターも女性的に描かれているのが何だか気持ち悪いなぁという人が何人かいた。さらにみんな報われない片思いをしているせいで、はちみつとクローバーの世界なんじゃないかとさえ思える。こういうアニメで萌え系にしないだけマシか。

 

残響のテロル

このアニメを見ている間、どうしても渡辺信一郎監督の『残響のテロル』(2014)と重なる部分が多くあったように感じた。ノイタミナ枠でもあり、同じくテロリズムを題材に扱ったアニメである。作られたのは東のエデンの方が先で、知名度もある。なので残響のテロルはもしかしたら東のエデンを意識して作られたのではないかと思う。パクリとか、そういうことではなく。

 

数字で呼ばれるテロリストたちや、途中から登場するハーフの美女。そして、ヒロインは対象的にごくごく普通の学生(森見は学生と社会人のはざま)。彼女らの普通が、主人公たちを変えていったという点も同じ。最後は違うのだけれども、東のエデンは今の日本社会の問題点をうまく浮き彫りにして、なおかつ強引にではあっても解決案を提示しているアニメでした。