ジュリー&ジュリア (2009) 映画感想

ジュリー&ジュリア (字幕版)

 

監督:ノーラ・エフロン

原作:ジュリー・パウエル、ジュリア・チャイルド

出演:メリル・ストリープエイミー・アダムススタンリー・トゥッチ

 

牛肉のワイン煮がひたすら食べたくなる映画。美味しそうな料理がたくさん出てくる映画はいい映画、とは言いすぎかもしれないが食べたいと同時に作りたいという意欲まで湧いてきて、"料理"という行為がキラキラしたものに見える映画となっているのだ。それだけでこの映画としての、この映画の元になった「ジュリー&ジュリア」という本の役目が果たされているのではないだろうか。

 

料理を通して二つの実話を基にした物語が交錯していく。同時進行かと思いきや、片や50年ほど前のお話となっていてそれに気が付いたのは途中からだった。ジュリーとジュリア当人同士が面会することはないのに二人のお話がジュリアの料理本を通して対話していくように繋がっていく。

 

もう一人の主人公であるジュリー(ジュリーとジュリア、名前が紛らわしい!)はブログを通してジュリアのレシピを再現していく。その時代設定が2000年代なので、ブログが現代のものとは少し違ったように扱われているような気がする。なんというか、日本でも趣味でブログをやっていた人がわんさかいた時代。私もブログをやっているので少しは共感することもあったがこのブログに初めましてのコメントはおろか、今までコメントを受けたことは一度もない。私とは違って一体誰が見ているのかもわからないまま続けていったジュリーのブログは評判を生み、ジュリアの料理本のように彼女のブログが書籍化していくこととなる。その本のタイトルが『ジュリー&ジュリア』というもので、はたまた映画化までいきつくのでした、めでたしめでたし、と終わるのだがジュリアはジュリーのブログに関しては不快であるとのことが述べられている。そしてその理由というのも表明することなく終わってしまう。見方を変えると人のふんどしで相撲を取っているようなもので、もしかするとジュリアはそういう風に受け止めたか、あるいはブログというもの自体が90歳のジュリアにとって受け止めづらいものだったのかもしれない。一説によると、世代間がありすぎるという見解らしい。

 

ジュリーとエリックの関係がパンとバターだったように、ジュリアとポールの関係もパンとバターみたいなものだ。そしてジュリーにとってもジュリアはきっとバターのようなものだ。旦那役のスタンリー・トゥッチと言えば、意地悪な役ばかりという印象があったのと、メリル・ストリープとは「プラダを着た悪魔」で上司と部下関係だったこともあり、ひと悶着あってもおかしくなさそうでひやひやしたが物凄く素敵な夫婦として描かれていた。料理が苦手だったジュリーを料理本を出版するまでひたすら見守る旦那、そこには忍耐力だけではなく、彼女に対する底知れない愛がある。何しろジュリアはどんな時も笑顔を絶やさず、人柄も良い素敵な女性なのだ。

 

ジュリー役のエイミー・アダムスはやはり可愛らしい。2年前にディズニーのプリンセスを演じたとは思えないほど生活感が滲み出ていてもはや別人のよう。