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悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46 (2015) 映画感想

前置き

欅坂46に興味をもってから数カ月、デビューしてから様々なことが彼女たちに降りかかった。楽しいことも、苦しいことも、観ているだけの私にはわからない。お姉さんグループの乃木坂46も、テレビに出ていたら観る、というだけでグループとしての歩みを知っているわけではなかった。欅坂を追いかけるようになってから、乃木坂の番組も見てみようという気持ちで彼女たちのドキュメンタリー映画を観るに至った。それは欅坂46が結成してからおそらく初めての合宿で、乃木坂の映画を観ているシーンがあったからだ。先輩の映画を観て涙を流す彼女たちを見て、厳しい世界に足を踏み入れる彼女たちはどう思っているのか、それとも覚悟を決めたのかという思いがあった。そもそも乃木坂はほとんどフロントメンバーしか知らなかったのでドキュメンタリー映画で他メンバーとグループの背景を知っておきたかったというのがある。そしてフォーメーション発表時のお葬式みたいな空気の理由はここで何かがわかると確信していた。

 

乃木坂46

本人でもなく一緒に働いてるスタッフでもなく「メンバーの母親からの目線」から始まる。母親は娘の良いところだけではなく影の部分まで語る。加入前の彼女たちは底抜けに明るいアイドルタイプではなく、どちらかというとクラスでも目立つようなタイプではない性格のようだった。フロントメンバー中心のインタビューだったので、もちろん全員がそういうことではないのだろうが、中心に語られた生駒・白石・西野・橋本はアイドルになることにあまり積極的ではなかったようだった。逆に生田はどちらかというと加入前から今現在も変わった様子はなく、一貫して完璧なイメージが強い。彼女の悩む部分は学業両立の問題で、乃木坂の仕事をこなしながらピアノ受験という多忙な日々を送ってそこで休業という選択を取っていたらしい。彼女は乃木坂でもピアノを武器にしていて舞台の仕事まであるので今も相当忙しそうだ。生駒ちゃんは乃木坂の顔とも言えて、長年センターを務めていた。でもそんな彼女も学校では目立たないタイプで、高校に行かなくてすむためアイドルになりたがっていた、と話す。加入時の生駒ちゃんは秋田から上京して純朴な雰囲気をまとう子だった。

 

欅坂と違って暫定選抜が結成当初からあったのを知り、私が長年初期の写真で斉藤飛鳥だと思っていた女の子が和田まあやという子だったことが判明した。随分顔が変わったと思っていたのがまさかの別人だった。そして今まで見たことがない美人の子が誰だったのかが調べてもわからない。暫定選抜にいない、3列目の右端にいるハーフアップの女の子。美人だけど名前がわからない。そして最初の暫定選抜が今のメンバーとさして変わりがないことに驚く。それでも西野七瀬や斉藤飛鳥がセンターまで上がったのは凄いドラマなのではないだろうか。

 

「16人のプリンシパル」という舞台をいまいちわかっていないのだが、総選挙のない乃木坂が総選挙と似た制度を舞台でやった、というようなもので総選挙のように結果が彼女たちに残酷に突き刺さる。それは曲のフォーメーションや福神というのも関係なく、下がった子もいれば上がった子もいるのだと思う。そこで下がってしまった松村さんが早口でまくしたてる。それに答えているのが生駒ちゃんで、二人の言い合いが辛すぎる。「私はさぁ、全部捨ててきたんだよ。大学も受かったのに乃木坂のために全部捨てたんだよ。なのに私選ばれなかったんだよ」という松村と「私もセンターなのに凄い低い順位だったよ。どうしてそんな悲しいこというの」と大人な対応をする生駒ちゃん。それを冷静に見ている橋本奈々未とその他大勢。この二人の言い合いを挿入したのは、後の松村のスキャンダル後の対応の伏線に思えて仕方がない。

 

スキャンダル

スキャンダルを起こして乃木坂の顔に泥を塗った松村。このスキャンダルは私も知っていた。だがそれがどういう波紋をもたらしたのかはこの映画で知ることとなる。紅白出場を逃したのがまるで彼女のせいというように受け止めたのだけれど、本当にそうなのだろうか。出場を逃したことを聞いた生駒ちゃんの鬼気迫る顔はまるで『シャイニング』のジャック・ニコルソンのようでした。「怒ってない人なんていないんじゃないかな」と言う西野七瀬。しかしここで「おっ」と思ったのが、橋本奈々未が「悪いのは男の方」と答えていたこと。長年番組を共にしているバナナマンがラジオでも見解していたように、アイドルという立場ながらそういう過ちを起こした松村も悪いけど、相手の男の方がもっと悪い、と視点を松村寄りに話しているように、同じ土俵に立っている彼女がそう言えるのは随分大人な考えをしていると思った。人の不幸が大好きという橋本さんですが、この一件については大物感が滲み出ていた。こんなにメンバーから言われても脱退せずに乃木坂に残った松村。もしも彼女が大学に通っていたら、また違う選択をしていたんじゃないかと思う。だが最近「白米様」みたいなさゆりんご軍団の活動をよく見かけるのでもうその問題は過去のものになったのだろう。というか、もう前を向くしかないのだからいつまでその問題を引きずっていたら問題だ。

 

松村や若月のように、スキャンダルや昔のプリクラが出てきたらああやってみんなで情報を共有するんですね。そしてそれについて釈明と謝罪。地獄みたいな空気だった。欅坂の子も何人か写真が流出しているけど同じようなことをやっていたのだろうか。 

 

そして最後にちょっとだけ出てきた二期生の堀さん。かなりドラマチックな演出をされてセンターに抜擢された彼女ですが、このドキュメントについてはほんの一瞬だった。二期生を全く出さないのもまずいし、まぁちょっとは、ということなのか、それとも続編のためのバトンか。

 

乃木坂のライブ時の表情はどこか闇落ちしたアイドルのような顔をしていて、欅坂の子もとてもいい表情をするけど乃木坂と比べるとまだあどけない顔をしている。それはまるで巨人の恐ろしさを知らない新人兵と、実践を兼ねた訓練を終えた104期の調査兵団のように(?)。

斉藤飛鳥がセンターになったことや深川さんの卒業などドラマはたくさんあるので、第二弾があるのだろうか。先日『4th YEARBIRTHDAY LIVE』も終えたばかりで3期生も入ってきたので世代交代してしまうのか。まだまだドラマは終わりそうにない。