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オレンジイズニューブラック シーズン4感想 

Orange is the New Black Season 4

半年以上待ちに待ったオレンジイズニューブラックの新シーズンがNetflixで6月17日に配信された。 

 

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オレンジイズニューブラックはアメリカの女性刑務所のコメディドラマである。

これがアホみたいに面白い。日本にもこういうはっちゃけたドラマが出来ないかと思う。最近では芥川賞を受賞したピース又吉の「火花」の宣伝が激しい。時期が重ならなかったらもっとオレンジイズニューブラックの宣伝をしてくれないかと思う。Netflixを契約する価値の7割がこのドラマにあたる。今の日本人にはこういう刺激的なドラマは娯楽として必要である。

 

「マッドマックス 怒りのデスロード」が上映していた際には仕事を辞めたくなっただとか性格が変わるほど面白いだとかの話をよく聞いたがこのドラマもそのような刺激がある。オレンジイズニューブラックのシーズン1からシーズン3まで一気に視聴したのだがこれが見事に性格が変わった(気がした)から不思議である。スポンサーがいないNetflixだからこそできる表現があり、制作側は怖いものナシで作っているのだろう。それが視聴者にハマり、ゴールデングローブ賞エミー賞は毎年常連である。

 

友人に勧められないほど下品なのが少し残念だが、その下品さが良い。口コミで広まっているのは感じる。このドラマはもっといろんな人に観てほしい。

 

感想

今シーズンはとにかくいろんな感情が揺さぶられた。笑いはもちろん無償の愛や悲しみ、怒りなど全ての感情が含まれており今までのシーズンとは少し違った雰囲気になっている。 そして今までと比べて圧倒的に汚い。食事しながら観るのはおすすめしない。だがビッチなシーンは激減したように感じる。それも前半はニッキーが登場しないからであろう。ルースチェックにハメられてシーズン3で退場したニッキーだったが見事上手いこと生きていた。

 

彼女は何度も薬断ちしているがその度に失敗している。リッチフィールドに戻ってきてからも薬は続けており、顔を引き攣らせている。その表情が見ていて辛いものであり、胸が苦しくなってくる。子供のように可愛がっていたレッドも彼女のことを熟知しており、怒るを通り越して自分を責める始末である。レッドとニッキーの関係は確かに絆で結ばれており、温かい。ニッキーが戻ってくるまでは何だか物足りない感じがしていたのだが彼女のおかげでいつものオレンジイズニューブラックの雰囲気が戻り、食堂でいつものメンバーが揃うシーンでは安心感がある。

 

シーズン4が公開されるまではアレックスの生死が問われていたが、1話目から不穏な空気で終わる。アレックスはローリーと共に組織の男を殺してしまうのだ。それをバラバラにして庭の野菜畑に隠すのだが後に死体が見つかって大問題に発展する。

 

刑務所はますます金儲けに走り倍ほどの受刑者を迎え入れることになる。看守が総退職してしまったので看守も総入れ替えとなり悪い雰囲気が刑務所に流れることになる。今まで対立していた白人・黒人・ラテン系グループも激化していく。今回はメキシカンやドミニカンが増えたのでその勢力も力を拡大していく。人間関係がより複雑になっていくがその分モブには名前を出さず、特徴的な見た目にしてある(坊主とかターバンとか)ので名前がわからなくとも把握できるようになっている。

 

前述のバラバラ死体が工事中に見つかり犯人探しをしているうちにとある事件に発展する。興奮したスーザンを取り押さえるために看守と間になったプッセイが圧迫死してしまうのだ。急なことだったのでまさかの展開だった。プッセイは唯一のオレンジイズニューブラックの良心だったこともあり、プッセイの友人はもちろんだが視聴者側も動揺を隠せなくなる。制作サイドに詰め寄りたくなった。看守たちに怒りの矛先が向き、事実を捻じ曲げた記者会見を開いたことにより黒人白人グループ関係なく抗議に向かう。そのシーンが圧巻である。何と最後に拳銃を持ったのはダヤナラである。発砲するのかしないのか、絶妙なところで終わってしまった。

 

何となくダラダラした展開が続くな、と思っていたのが最後の3話で見事に持っていかれた。今回は看守と受刑者の関係が本筋といった感じだったのだが、看守に向かって机に立って静かに抗議したシーンは映画「いまを生きる」を彷彿させる。このシーンは感動した。抗議が非暴力だったがゆえに、看守たちの対応に怒りを感じる。

 

シーズン5は来年になると思うがシーズン7まで制作が決まったらしい。エミー賞連続受賞したクレイジーアイズことスーザンは今回も活躍している。Uzo Adubaさんの演技が素晴らしいのは間違いないのだけれど、彼女の役が黒人、レズビアン、変わり者といったアメリカの社会問題を体現しているのでそういった点が特に評価されているのだと思う。オレンジイズニューブラック自体人種差別、LGBT、宗教、ドラッグ等様々な問題を扱っている。

 

オレンジイズニューブラックはコメディとして面白いだけではなく、アメリカという社会を知るきっかけにもなるドラマである。過剰な部分もあるが日本ではもっと評価、そして認知されるべきだと思う。